パンデミックとはどういう意味?歴史や定義を分かりやすくまとめてみた!

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雑学

新型コロナウイルスの感染拡大の脅威が高まっています。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は28日にジュネーブで記者会見し、世界全体での新型コロナウイルスのリスク評価について、これまでの「高い」から「非常に高い」に引き上げ「パンデミックの可能性がある」と発表しました。もし、パンデミック(爆発的感染)になったら何が起きるのでしょうか?そこで今回はパンデミックとはどういう意味?歴史や定義を分かりやすくまとめてみた!の話題について調べてみました。
是非、最後までご覧ください。

パンデミックって何?

パンデミック(pandemic)は、日本語的には“感染爆発”などと訳され、感染症や伝染病が全国的・世界的に大流行し、非常に多くの感染者や患者を発生することをいいます。語源はギリシャ語のパンデミアで、パンは「全て」、デミアは「人々」を意味します。

世界保健機構(WHO)は流行の規模に応じ、地域的なエンデミック、国内ないし数か国のエピデミック、世界的で規模が最も大きいのをパンデミッと使い分けます。

私たち一般市民の生活にも多大な影響を及ぼす「パンデミック」。

2020年新型コロナウイルスの世界的流行で改めて注目を浴びるキーワードとなりました。

新型コロナウイルス「パンデミック」になる可能性は?

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は2020年2月27日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大について「パンデミック(世界的流行)の可能性がある」とし、自国には感染しないという考えは「致命的な誤り」と各国に一段の警戒を促しました。

続いて、WHOが示すパンデミックの定義について調べました。

パンデミック その定義と基準 6つのフェーズとは?

WHO(世界保健機関)は2009年、新型インフルエンザが流行した際、
各国にインフルエンザ・パンデミックの世界的な脅威の深刻さを理解させ,事前の対策計画の準備を促すために,WHO世界インフルエンザ事前対応計画を策定し、6つのフェーズによる方法を維持しました。

フェーズ1から3は収容能力を増やし対策計画の実効性を含む準備に関連づけ、
フェーズ4から6は対策と緩和策に関する必要性を明らかに示すものです。
そして、フェーズ6がパンデミック(大流行)になります
さらに、パンデミック第1波の後の期間は、パンデミック後の回復活動促進を詳しく述べています。

http://idsc.nih.go.jp/

 

フェーズ 1動物の中で循環しているウイルスがヒトにおいて感染を引き起こしたとの報告がない段階。フェーズ 2家畜または野生の動物の間で循環している動物のインフルエンザウイルスが、ヒトに感染を引き起こしたことが知られ、潜在的なパンデミックの脅威であると考えられる段階。

フェーズ 3動物インフルエンザまたはヒト-動物のインフルエンザの再集合ウイルスが、ヒトにおいて散発例を発生させるか小集団集積症例を発生させたが、市中レベルでのアウトブレイクを維持できるだけの十分なヒト-ヒト感染伝播を起こしていない段階。

フェーズ 4”市中レベルでのアウトブレイク”を引き起こすことが可能な動物のウイルスのヒト-ヒト感染伝播またはヒトインフルエンザ-動物インフルエンザの再集合体ウイルスのヒト-ヒト感染伝播が確認された段階。

フェーズ 51 つの WHO 地域で少なくとも 2 つの国でウイルスのヒト-ヒト感染拡大がある段階。

フェーズ 6: (パンデミックフェーズ):フェーズ 5 に定義された基準に加え、WHO の異なる地域において少なくとも他の 1 つの国で市中レベルでのアウトブレイクがある段階。

パンデミックピーク後ピーク後の期間は、パンデミックの活動が減少していると思われることを表すが、さらに別の流行波が発生するかどうかは不確かであり国々は第二波に備える必要がある段階。

パンデミック後インフルエンザ疾患の流行は季節性インフルエンザで通常見られる水準に戻る段階。

続いて、パンデミックが起きた時の影響について調べました。

パンデミックが家庭や日常生活に及ぼす影響は?

もしパンデミックが起きた場合、その被害は単に膨大な数の感染者や死者が出る、というようなウイルスによる直接の被害だけにとどまりません。

https://twitter.com/OH5014/status/1232169838505689088?s=20

感染者で病院があふれることによって、病院の機能が麻痺し、慢性疾患の患者や救急患者には十分な対応ができないような事態も想定できます。

さらに、パンデミックの影響は医療の現場だけでなく、社会全体に及ぶことが予測されます。

まず、多くの人が同時に感染し、それらの人が大量に欠勤することになります。

また、実際に感染した人以外にも、濃厚接触者である家族感染を避けるために出勤を自主的に控える人などを含めると、それぞれの職場で失われる労働力は、予測される感染者の割合である20~30%を大きく上回る可能性もあります。
そうなると、多くの職場で通常の業務を維持していくことが困難になると予想されます。

このような影響は、電気・ガス・水道などのライフラインにも及ぶと考えられます。治安に関わる警察機能なども維持していくことが困難になるかもしれません。

その他、物流、公共交通、郵便、教育なども長期にわたり大きな影響を受ける可能性があります。

こう見てみると、すでにパンデミックになりつつあるように感じます。

続いて、過去に起きたパンデミックについて調べました。

パンデミックの歴史

過去の歴史をみると、数十年に一度このようなパンデミックが起こっています。
20世紀には、3回のパンデミックが起きたことがわかっています。

http://www1.pref.shimane.lg.jp/

続いて、過去のパンデミックでもっとも被害のあった「スペイン風邪」について調べました。

100年前のパンデミック「スペイン風邪」とは?

1918年から1920年までの約2年間、新型ウイルスによるパンデミックが起こり、当時の世界人口の3割に当たる5億人が感染しました。
そのうち2000万人~4500万人が死亡したのがスペイン風邪なのです。

スペイン風邪の発生は、今から遡ること約百年前の1918年の春でした。
アメリカ・カンザス州にあるファンストン陸軍基地の兵営からだとされています。

当時は第一次世界大戦の真っ最中で、ドイツ帝国は無制限潜水艦作戦によって中立国だったアメリカの商船を撃沈するに至った。このドイツの粗暴な振る舞いがアメリカの参戦を促し、アメリカは欧州に大規模な派遣軍を送りました。

アメリカの軍隊から発生したとされるスペイン風邪は、こうしてアメリカ軍の欧州派遣によって世界中にばら撒かれることになった。当時のパンデミックは、航空機ではなく船舶による人の移動によって、軍隊が駐屯する都市や農村から、その地の民間人に広まっていきました。

アメリカで発生したのにどうしてスペイン風邪と呼ぶのでしょうか?

第一次大戦当時、スペインが欧州の中で数少ない中立国であったため、戦時報道管制の外にあったからです。そのためこの新型ウイルスの感染と惨状が、戦時報道管制から自由なスペイン電として世界中に発信されたからです。

https://abundant.jp/

そして、日本でスペイン風邪が確認されたのは、1918年、当時日本が統治中であった台湾に巡業した力士団のうち3人の力士が肺炎等によって死亡した事が始まりです。

そののち、同年5月になると、横須賀軍港に停泊中の軍艦に患者が発生し、横須賀市内、横浜市へと広がりました。

このスペイン風邪によって、最終的に当時の日本内地の総人口約5600万人のうち、0.8%強に当たる45万人が死亡しました。
当時、日本は台湾と朝鮮等を統治していたので、日本統治下全体での死者は0.96%といいます。

1945年、東京大空襲による犠牲者は10万人です。日露戦争による戦死者約9万人を考えると、この45万人という数字はとんでもない数の死亡者だったんですね。

続いて、この「スペイン風邪」に当時の政府の対処を調べました。

パンデミック「スペイン風邪」に当時の政府や自治体はどう対処した?

https://abundant.jp/

当時のパンデミックに日本政府や自治体がどう対応したのでしょう。
結論から言うと、様々な対処を行ったが、根本的には無策でした。

つまり当時の人類や日本政府は、スペイン風邪の原因を特定する技術を持っていなかったのです。
当時の研究者や医師らは、このパンデミックの原因を「細菌」だと考えていましたが、実際にはウイルスだったのです。スペイン風邪の病原体であるH1N1型ウイルスは、当時の光学顕微鏡で見ることが出来なかったからでした。
当時の人類は、まだウイルスに対し全くの無力だったのですね。

それでは、政府や自治体がパンデミックに対して、どう対処をしたのでしょう

大正8年(1919年)1月、内務省衛生局は一般向けに「流行性感冒予防心得」を出し、一般民衆にスペイン風邪への対処を大々的に呼びかけました。

・はやりかぜはどうして伝染するか

咳(せき)や嚏(くしゃみ)をすると眼(め)にも見えない程微細(こまか)な泡沫(とばしり)が三、四尺周囲(まわり)に吹き飛ばされ夫(そ)れを吸ひ込んだ者は此病(このやまひ)に罹(かゝ)る
引用:https://mainichi.jp/

・(はやりかぜに)かからぬには

病人又(また)は病人らしい者、咳する者には近寄つてはならぬ〉〈沢山(たくさん)人の集つて居(い)る所に立ち入るな〉〈鼻、口、を「ハンケチ」手拭(てぬぐひ)などで軽く被(おほ)ひなさい
引用:https://mainichi.jp/

予防法は100年前の対処法も現在の新型コロナにおける一般的な対処・予防法と大して変わらないことに驚きですね。

https://abundant.jp/

そして内務省は警察を通じて、全国でこの手の「衛生講話会」を劇場、寄席、理髪店、銭湯などで上演し、大衆に予防の徹底を呼び掛けています。

またマスク励行のポスターを刷り、全国に配布しました。マスクの無料配布も一部行われたといいますが、現在の新型コロナウイルスと全く同じで、マスクの生産が需要に追い付かなかったのです。

また、内務省は北里研究所などが開発した予防薬の接種を推進しました。病原体がウイルスであることすら知らない当時の医学は、スペイン風邪の予防に苦肉の策だったのですね。しかし、これは現代の医学から考えれば全くの無意味な政策となりました。

また、当時、とりわけ被害が大きかった神戸市では、市内の幼稚園、小学校、中学校等の全面休校を決めました。

学校の休校や人ごみの禁忌、各地での集会、興行、力士の巡業、活劇などは続々中止か、または閉鎖されていきました。

この対策についても、現在のコロナウイルスへの対応と同じように感じます。

続いて、猛威を振るった「スペイン風邪」の終息について調べました。

パンデミック「スペイン風邪」はどのようにして終息したか

このようにして、日本各地で猛威を振るったスペイン風邪は、1920年が過ぎると自然に鎮静化しました。
それは、スペイン風邪を引き起こしたH1N1型ウイルスが、日本の隅々にまで拡大し、もはやそれ以上感染が拡大する限界を迎えたからでした。そしてスペイン風邪にかかり、生き残った人々が免疫抗体を獲得したからなのです。

ほとんど人が感染したことでの終息とは、とても怖い結末ですね。

続いて、パンデミックにおけるデマについて調べました。

パンデミックにはデマがつきもの?100年前もデマが・・

2020年新型コロナウイルスが猛威をふるう現在の日本では、
マスクとトイレットペーパーの原料は同じなので新型肺炎の影響でトイレットペーパーが今後なくなる」「トイレットペーパーを買いだめしておけ
といったデマが拡散したことで店頭のトイレットペーパーの品薄を招いています。

しかしそれは、まったくのデマで業界団体や政府は「在庫は十分ある。冷静な行動を」と呼びかけています。

また、「57度から60度近いお湯を飲めば予防になる」などのデマのチェーンメールが流れたりしています。

100年前のスペイン風邪の時もデマや流言飛語がありました。

曰く、「厄除けの札を貼ったり」、「ネズミを焼いて粉末にした”薬”を飲んだり」したといいます。

神社での厄除けのお札を求めて、多くの人が押し寄せたといいます。

人間の恐怖の心理は時代を超えて共通しているんですね。

パンデミックとはどういう意味?歴史や定義を分かりやすくまとめてみた!まとめ

パンデミックとはどういう意味?歴史や定義を分かりやすくまとめてみた!についていかがでしたか?100年前のパンデミックと現在、とるべき方針はあまり変わらないように思えますが、違っている点は、現代の医学は驚くべきほど進化している点です。過去の教訓を得て、起こりうるかもしれないパンデミックを乗り越えたいです。

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。



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